第4回 院長の朝のひとこと ―近づきてこれに染まず―
今日のお話は「近づきてこれに染まず」という教えについてです。
昔からよく「朱に交われば赤くなる」なんて言いますよね。周りの環境や、付き合う人の影響は知らず知らずのうちに受けてしまうものです。
愚痴や不満ばかり言っている人が近くにいれば自分もつい暗い気持ちになりますし、反対にいつも楽しそうに前向きに動いている人のそばにいれば、自然と元気をもらえる。これは仕事でも、家庭でも全く同じです。
ただ、私たちの毎日は「気の合う良い人」ばかりに囲まれて過ごせるわけではありません。
理不尽な対応をしてくる相手と向き合わなければならない日もあれば、家庭内で誰かの機嫌が悪くてピリピリした空気に巻き込まれそうになる瞬間だってあります。
そんな時に大切にしてほしいのが、この「近づきてこれに染まず」という姿勢です。
泥沼の中に美しく咲くハスの花を思い浮かべてみてください。
ハスは濁った泥水に根を張って生きていますが、泥に汚れることなく、清らかな花を咲かせますよね。私たちも同じです。
嫌な空気やイライラした相手を完全に避けて生きることはできません。
だから、そこに近づくこと自体は避けられなくても、「自分までその泥に染まる必要はない」と心の中で決めておくんです。
イライラしている人がいたら、「あぁ、今は大変なんだな」と一歩引いて受け止め、自分までイライラを伝染させない。
愚痴の輪に居合わせても、相づちは打つけれど心までは引きずられない。
外の空気に振り回されず、自分の心の平穏や笑顔を自分で守ること。
それこそが、どんな逆境や人間関係の摩擦も軽やかに乗り越えていく一番の知恵です。
今日一日、もし慌ただしい空気やトゲトゲした空気に触れることがあったら、ハスの花のように「自分は自分のペースを保とう」と心の中でつぶやいてみてください。
あなたがブレずに穏やかでいることが、周りの空気を落ち着かせる一番の力になります。

