第33回 院長の朝のひとこと -とらわれぬ心-
今日のお話は「とらわれぬ心」についてです。
生きていれば、仕事でも家庭でも、「なんで自分ばかりこんな目に遭うんだろう」と思うような壁やトラブルにぶつかることがありますよね。
私自身もこれまで数え切れないほどの失敗や試練を経験してきましたが、苦しい時ほど人は一つのことに心をぎゅっと奪われて、周りが見えなくなってしまいがちです。
昔から伝わる知恵の中に、とても心に響く考え方があります。 「風が吹き抜ければ竹は揺れるけれど、風が去れば竹は音を残さない。
鳥が水面をかすめて飛んでも、通り過ぎれば水面には影一つ残らない」という情景です。
これはどういうことかというと、何かが起きたその瞬間は全力で向き合い、対応する。
けれど、終わったことに対して「あの時こうしていれば」「もし失敗したらどうしよう」と、いつまでもこだわり続けたり引きずったりしない、ということです。
心の中に余計な影や音を残さない生き方ですね。
仕事でトラブルが起きた時、落ち込んだり反省したりするのは誠実な証拠です。
でも、その失敗にとらわれ続けて縮こまってしまうと、次に目の前にやってくる良いチャンスを見逃してしまいます。
家庭でも同じです。家族にちょっと嫌なことを言われた時、そのトゲトゲした気持ちをずっと心に握りしめていると、本来は温かいはずの団らんまで曇ってしまいます。
風が吹いたらサラサラと受け流し、通り過ぎたら元の澄んだ自分に戻る。
水面のように、物事をありのままに映し出し、過ぎ去ったらすっと手放す。そんな「とらわれない身軽さ」を持つことが、実は一番しなやかで強い心のあり方です。
何かに心がぎゅっと固まっているな、と気づいたら、一度深く深呼吸してみてください。
「今、目の前のことだけに集中して、過ぎたことはサッと手放そう」と意識するだけで、心にすっと風が通るはずです。
仕事でも家庭でも、柔らかく、とらわれない心で毎日を心地よく過ごしていきましょう。

