第32回 院長の朝のひとこと -本当の自分を知るための心の鏡-
今日のお話は「本当の自分を知るための心の鏡」についてです。
仕事でトラブルが重なったり、家で家族とついトゲトゲした言い争いをしてしまったりすると、「なんで自分ばかりうまくいかないんだろう」と落ち込んだり、誰かのせいにしたくなったりしますよね。
私自身もこれまでの人生で、数え切れないほどの壁にぶつかり、悔しい思いや失敗を重ねてきました。
そんなときに役立つ、昔から伝わるシンプルで深い知恵があります。
それは「静かなときに自分の心を見つめれば、本当の姿が見えてくる」という教えです。
泥水が入ったコップを思い浮かべてみてください。揺らし続けている間はずっと濁っていて、底にあるものが見えません。
でも、机の上に置いてじっと待つと、泥が下に沈んで水がスッと透き通ってきますよね。
私たちの心もまったく同じです。
仕事に追われ、家事に追われ、頭の中が忙しく動き回っているときは、感情の泥が巻き上がっていて「本当の自分の気持ち」が見えなくなっています。
焦っているときに無理に決断したり、カッとなって言葉を返してしまうと、大抵は余計にこじれてしまいます。
だからこそ、ピンチのときや心がざわついたときほど、意識して一度立ち止まってみてください。
深呼吸を3回するだけでもいいですし、お茶を一杯飲む5分間でも構いません。
静かに息を整えて、「自分は今、何に焦っているのかな」「何を不安に思っているんだろう」と問いかけてみる。
すると、濁っていた感情がスーッと落ち着いて、「あ、自分は見栄を張っていただけだな」とか、「相手に完璧を求めすぎていたな」といった本当の原因や、本当に大切にすべきものが見えてきます。
外の状況や相手を力ずくで変えることは難しくても、自分の心の中の濁りを鎮めることは、今この瞬間から誰にでもできます。
もし今日、仕事で慌ただしくなったり、心に波が立ちそうになったら、ほんの1分でいいので「心の泥を沈める時間」を取ってみてください。
澄んだ目で見つめ直せば、どんな課題にもきっと穏やかで良い解決策が見つかるはずです。

